ビル用マルチエアコンとは?
ビル用マルチエアコンは、通称:ビルマルエアコン・ビルマルとも呼ばれています。
ホテル、テナントビル、病院などお部屋ごとにエアコンの運転調節が必要な建物向けの空調システムです。
パッケージエアコン(業務用エアコン)という種類のエアコンで、これらはオフィス・店舗用とビル用マルチエアコン2種類に分類されます。
オフィス・店舗用は業務用マルチエアコンとも呼ばれ、ビル用マルチエアコンとは使い方や設置目的が変わってきます。では、具体的にどういったものなのか見ていきましょう。
ビル用マルチエアコンと業務用マルチエアコンの違い
ビル用マルチエアコンと業務用マルチエアコン比較
| ビル用マルチ | 業務用マルチ |
室外機 | 1台の室外機で複数エアコンを個別運転 | 1台の室外機で複数エアコンを同時運転 |
冷媒配管総長 | 1000m | およそ50m~100m |
室内外機高低差 | 50mまで | 30m程度 |
電源 | 室内外機は別々の電源供給 | 室内外機の電源が同じ |
ビル用マルチエアコンは必要なお部屋のみ運転できるのにくらべ、業務用マルチエアコンの場合はすべてのエアコンが同時運転となります。※一部メーカーは個別運転できるものもあります
また、ビル用マルチエアコンの場合は室内機ごとに能力(馬力)や形状を選択できますが、業務用マルチエアコンの場合は原則同じ能力(馬力)や形状の室内機を設置します。
詳しい特徴は以下となります。
ビル用マルチエアコンの特徴
- 冷媒配管※が業務用マルチエアコンより長くエアコン配置の自由度が高い。※室内機と室外機をつなぐ配管
- 容量の異なる室内機を個別に運転し、エアコン別に温度・風量を調整できます。
- グレードの高い物ですと冷房・暖房を個別に調整可能。
- 室内機と室外機それぞれ別の電源を使用。
- 室内機が個別に動くので室外機と電源が分かれている。
- 室内機側に出力を制御する膨張弁がついている。
業務用マルチエアコンの特徴
- 変則的な形のお部屋・広い空間をムラなく空調できる。
- 部分的な空調は行えず、室内機は同時運転。※一部メーカーは個別運転可能です。
- 室外機に電源を接続して、室外機から室内機に電気を送る。
- 室外機側に出力を制御する膨張弁がついている為、室内機側で出力調整不可。
ビル用マルチエアコンの種類
リニューアルタイプ
既存の冷媒配管を利用して既存のエアコンを入替えられるタイプ。
入替え作業が少なくスムーズな空調更新をおこなえます。
冷暖同時/切替タイプ
冷房・暖房の同時運転可能なシステム。
窓から差す太陽の光やパソコンなどの発熱で部屋ごとに温度差がある場合有効なタイプです。
コンパクト型
クレーンを使わずに室外機を搬入可能なコンパクトタイプ。
立地的に大きなクレーンが必要な場合やクレーンで運べない立地の場合におすすめです。
氷蓄熱タイプ
室外機と室内機の間に氷蓄熱槽が付いているタイプ。
冷房を使用していない夜間に氷蓄熱槽で氷を作り、昼間の冷房使用時にその氷を使うことで高い運転効率を誇り、省エネが期待できます。
高暖房タイプ
寒冷地でも暖房機能を十分発揮できるタイプです。
ビル用マルチエアコンの工事に関して
弊社では実際にビル用マルチエアコンの工事を数多く手がけています。
ビル用マルチエアコンの工事では、室外機搬入にクレーンを使用することもあります。
お客様の大切な事業所を保護し、台数が多く時間がかかるため、その間に床・壁・エレベーターなどを養生します。
実際の工事の様子をまとめましたので、以下からご覧ください。
ビル用マルチエアコン工事事例①
ビル用マルチエアコン工事事例②
ビル用マルチエアコンか、業務用マルチエアコンか
エアコンは広さと設置目的によって取り付けるべきものが決まってきます。
大型施設であるホテル、病院などお部屋ごとに空調のオン・オフが必要な場合にビル用マルチエアコンが設置されることが多いです。
また、飲食店など常にムラなく空調を効かせる場合は、業務用マルチエアコンが向いています。
しかし一概には言えず、設置場所の規模や用途によって業務用マルチエアコンか、ビル用マルチエアコンをつけるか変わってきます。
各お部屋にあった運転を行うことが、省エネや快適なお部屋環境にづくりにもつながってきます。
弊社では、一度現地を拝見させていただき、お客様のご要望をご確認したうえでお見積りを作らせていただきます。現地調査・お見積りは無料ですのでお気軽にお問い合わせください。