隠ぺい配管・マルチエアコンの入替え工事事例
隠ぺい配管の分かりやすい工事事例をご紹介いたします。
設置機器は住宅用マルチエアコンです。マルチエアコンは隠ぺい配管であることが多いです。
マルチエアコンとは、室外機1台で複数台の室内機を動かすエアコンです。マルチエアコンについて、詳しくは
コチラ。
設置場所 | 中央区 マンション・一般家庭 |
メーカー | ダイキン |
設置機器 |
PAC-45RV マルチパック【6-9畳×8-12畳】 |
POINT
隠ぺい配管の工事でしたが、1つは配管の入替えを行い、もう1つは配管を再利用して設置を行いました。
2台の室内機と1台の室外機の入替えで、作業時間は2時間半程度でした。
※設置時間は環境・条件によって変わります。
※画像クリックで拡大します。
既存配管の確認
既存配管が再利用できるかの確認を行います。
こちらの既存配管は、今回設置する機器と互換性無く再利用が不可能でした。
作業を行う為の点検口が2ヵ所設けられており、配管の交換が可能だったので交換を行いました。
既存配管の入替え
配管の入替えを行います。
配管は中に屈曲可能な銅管が入っていますが、一度曲げてしまうと元に戻せないので、仮通して機器を設置する際に、配管ルートに合わせて曲げていきます。
このように配管は結構頑丈でしっかりしたものなので、今回のように、十分に入れ替えが行えるだけの点検口があって配管自体も複雑に引かれていない場合は入替えが容易ですが、ない場合や複雑に引いてある場合は引き抜くという事が出来ないので交換が難しいです。隠ぺい配管の入替えが難しいといわれている理由の一つです。
配管と一緒に、信号線(室内機と室外機を繋ぐ電気の線)も引いていきます。
据付板と化粧カバー土台設置
室内機を取り付ける為の据付板と化粧カバーの土台を設置します。
据付板を取り付ける際は、
- 配管穴よりも上の位置にする
- エアコン専用コンセントまで室内機の電源プラグが届く位置にする
- 水準計を使って据付板が平行であることを確認する
- 火災報知機よりも1.5m以上はなれた場所に取り付ける
この4点に注意します。
特に隠ぺい配管の場合は通常よりも配管が長い為、きちんと設置されていないと排水が上手くいかずに室内機から水漏れなどを起こす恐れがあります。
据付板を設置して室内機の位置が決定したら、配管を隠す化粧カバーの土台を設置します。
室内機①の取り付け
室内機の設置を行います。
このような壁掛け形エアコンは、先程取り付けた据付板に室内機を引っかけて設置します。
飛び出している配管はサービス配管とか補助配管と呼ばれている配管で、冷媒配管(冷媒ガスが通る管)とドレン配管(熱交換時に発生する水を排水する為の管)です。この配管を基準に先ほど引いた配管を接続していきます。
配管接続
設置した室内機のサービス配管と先程仮通しした配管を接続していきます。
配管は特殊な工具を使用して端をフレア加工という裾広がりの形状にし、フレアナットという専用のナットで接続します。
このフレア加工やナットの継ぎが甘いとガス漏れを起こしてしまいます。
しっかりと接続したら、化粧カバーの土台に這わせて配管を屈曲していきます。最後に配管の継ぎ目をテープ巻きします。
信号線・ドレン配管の接続
信号線とドレン配管の接続を行います。
信号線は、エアコン室内機と室外機運転の仕方や、エアコンの温度調整をコントロールするための信号の送受信を行っているいる配線です。渡り配線・連絡線・制御線なんても呼ばれています。ドレン配管は、室内機から伸びている分を延長する形で接続します。
これで室内機へのすべての配管の接続が完了です。
室内機化粧カバー設置
配管の接続が完了したら、化粧カバーを設置します。
化粧カバーを取り付けなくても設置は可能ですが、仕上がりの綺麗さや劣化を防ぐという意味でも、取り付けを希望される方が多いです。
化粧カバーがついたら室内機の設置は完了です。今回はマルチエアコンなので、室内機をもう1台設置します。
既存配管の確認
室内機2台目の設置場所の既存配管の確認を行います。
こちらは再利用が可能で配管洗浄の必要もない状態でしたので、このまま設置を行います。
据付板と化粧カバー土台設置
1台目と同じように据付板と化粧カバーの土台を設置します。
室内機②の取り付け
室内機②を設置します。
冷媒配管・ドレン配管・信号線の接続を行い、化粧カバーを取り付けたら室内機の設置は完了です。
配管溶接
室外機側の配管を延長する為に、配管同士を溶接して繋ぎ合わせます。
溶接が甘いとガス漏れを起こしてしまうので、しっかりと溶接していきます。隠ぺい配管の工事ではだいたいこの工程が発生します。
配管テープ巻きと化粧カバー設置
溶接した配管をテープ巻きして化粧カバーを設置します。
今回は壁掛け形2台のマルチエアコンなので配管が2ヵ所から伸びています。この配管が壁の中を通って室内機と室外機にそれぞれ繋がっています。
室外機の設置
冷媒配管と信号線を室外機に接続していきます。
この接続も、甘いとガス漏れの原因になるのでしっかりと行います。
ドレン配管は、点検口内に排水溝があればそこに伸ばし、なければ基本ベランダや庭の適当な位置に流れるように設置します。
真空引き・室外機設置完了
配管・配線の接続が完了したら、真空引きを行います。
真空引きとは、真空ポンプ(容器内から気体を排出し、真空を作るポンプ)を使って、冷媒配管内部をほぼ真空にすることです。
弊社ではすべての工事で必ず実施しています。
試運転・工事完了
真空引きが完了したら試運転です。問題が無ければ工事完了です。
今回は隠ぺい配管のキモである、配管の再利用と配管の入替えを同時に行うケースでした。
これ以外にも隠ぺい配管の工事は数多く請け負っております。
他で断られた…。とりあえずどんな感じなのか見て欲しい。概算見積もりだけでも…。お悩みでしたらまずはお気軽に弊社にお問い合わせください。